今回は摂動を考慮した要素変化法による軌道要素の最適化です。
数値積分はフェールベルク法(6段5次)を使用していますので計算の途中できざみを変更
することも可能です。また非重力効果(藪下効果を含む)を考慮した計算も可能です。
その他の部分は「天体の軌道計算」第8章に記載のプログラムルーチン(Fortran版)
の必要部分をC言語に移植したルーチンを多く使用しています。
@起動改良を行った彗星の軌道要素と観測データの読み込み
・観測データとともにあらかじめ計算された軌道要素も必要です。
A数値積分の初期値の設定
・小惑星についてはCeres/Pallas/Vesta/Hygiea/Eunomiaの5つの小惑星につき
あらかじめ計算した位置データ(1776/ 9/27〜2105/ 4/16まで4日間隔)
をファイルで持っており、初期値として使用します。
(太陽/月/惑星(Plutoを含む)についてはJPLのDEファイルから計算の都度
位置データを読み込みます。)
B数値積分の実施、同時に残差の計算
C変化分の計算し改良後の軌道要素を計算/表示(5回繰り返す:Loop1回目)
(ディスプレイ表示結果Loop1.txt)
D残差を考慮して残差の大きいデータを計算からはずす。
・自動を選択した場合、あらかじめrms_maxで定義した以上のエラーがある
データをリジェクトします。
E数値積分の実施、同時に残差の計算
・エラーの大きい観測値をはずして、最初から計算しなおします。
(1回目のLoopの計算の継続ではありません。)
F変化分の計算し改良後の軌道要素を計算/表示(5回繰り返す:Loop2回目)
(ディスプレイ表示結果Loop2.txt)
計算例は引き続きサイディング・スプリング(C/2013A1)彗星です。
計算例では0.5日間隔で計算しています。惑星に接近する等の場合に計算間隔を
小さくすることも可能です。
計算内容の詳細は以下の本を参照下さい。
・「天体の軌道計算」中野主一著、誠文堂新光社(1992)
・「マイコン天文学 I」中野主一、恒星社厚生閣(1983)
・「天体軌道論」長谷川一郎、恒星社厚生閣(1983)
摂動を考慮した彗星の軌道要素改良ソフト: comet.4.0.zip
注:windows上のCコンパイラ(VC等)でコンパイルください。
JPL/NASAのDE405のファイル(lnxp1600p2200.405)がほかに必要です。
(ftp://ssd.jpl.nasa.gov/pub/eph/planets/Linux/de405/ 参照)
"jpl_eph.c"の217行目前後の天体暦ファイルのディレクトリ名等を環境に合わせて修整ください。
(設定を変更すればDE405でなくてもかまいません。)
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