2. 小惑星の初期値のファイル化とDE431の利用




 つぎは小惑星の初期値のファイル化とDE431の利用をやることにしました。

 その前に小惑星の計算結果がどの程度の精度がでているかの検証です。とりあえず「ASTRONOMICAL ALMANAC 2014年版」に載っているケレスの値との比較です。マイナス6乗程度の差となっています。(ただしASTRONOMICAL ALMANACに記載されている値はDE431で計算されたものではありません。)

フェールベルク積分(刻み0.125日)の計算結果

 実際に彗星の数値積分を計算する場合その最初の日は軌道要素の元期となるため、それに対応するためには、@あらかじめ他の惑星/小惑星の情報を計算しファイル化しておき随時ファイルから読み込む。 A彗星の元期に惑星/小惑星の初期値を合わせる。の二つの方法がありますが、ここでは太陽/惑星/月については@のDE431ファイルから読み取る方法。小惑星については、Aのあらかじめ位置/速度をファイル化(AD1800-2100年内の4日間隔)しておき、彗星の元期にあわせて、初期値として読み込むことにしました。1800年の初期値から最積分をして1976年のオリジナルの初期値の日まで計算したときの小惑星の位置の差を計算してみましたが、その差はマイナス10乗程度であまり影響ないレベルでした。

 最後に参考までにこのソフトのソースを添付します。添付してあるmp5.datは5小惑星の座標/速度をファイルにしたものです。このソフトにはDE431のファイルをJPL/NASAのファイルをダウンロードする必要があります。(場所はソースファイルに記述。)しかし、DE431のファイルは2.6GB程度あるため、@windows7の場合2GB以上のデータ(相当未来の部分)が読めません。ALinuxの場合ファイルオープンもできませんでした。なので一応Makefile及びファイルを分割するソフトは添付していますが、基本的にはwindows7で使用ください。

N体惑星数値積分ソフト(データ)(N_Bergu1):
(初期値をファイルから読み込み、初期値の日付を変更できるバージョン。)
n_bergu1_1.0.zip


2014/09/02 Up

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