ぎょしゃ座



 ラテン語では彼を「アウリガ(audiga)」、エリクトニウスという名で呼ぶ、エラストテネスが著わした様に。ジュピターは、人間で初めて4頭建ての荷車を仕立てたのを見て、神のなかで初めて四頭立ての馬車(quadriga)を発明した太陽(Sol)にも比べられる、人間の天才を賞嘆した。エリクトニウスは先に述べたように、4頭立ての馬車を発明し、ミネルヴァ(Minerva)やアテネの城塞の神殿への犠牲を奉げる事を初めた。  エウリピデスは彼の出生について次のような事を述べている。ヴァルカン(Vulcan)はミネルバの美しさに虜になって、彼女に結婚を申し込んだが、断られた。彼女はヴァルカンの求婚のせいで、ヘパエスチウス(Hephaestius)に身を隠した。ヴァルカンは彼女をそこに追い、彼女に強制しようとした、その時、情熱の頂点で、彼が彼女を辱めようとしたとき、彼は撃退された、そして、いくらかの精液が地面に落ちた。ミネルバは、羞恥心により打ち勝って、彼女の足でその上に埃をかけた。  このようにして、蛇のエリクトニウスは生まれた。彼の名前は、地面と彼らの格闘に由来する。ミネルバは彼を櫃の中に隠したと云う、儀式の神物のように。彼女はその櫃をエリクトウスの娘らのもとに持ってきて、守るように命じ、開けることを禁じた。しかし人間は好奇心が強いという性質により、禁じられると、よけいそれをしたくなる。したがって、少女たちはそれを開け、蛇を見た。この結果、彼女らはミネルヴァにより気をふれさせられ、アクロポリスの丘より身を投げた。しかし、その蛇はミネルヴァの保護のもとに走り、以後彼女により育てられた。  

 ほかの者はエリクトニウスは蛇の足を持っているという。そして、彼の青年期にミネルヴァの為の全アテネ市民の大会を創始し、彼自身4頭立て戦車のレースに出場した。彼はこれらの事績の為に星座のなかに置かれた。星のこと書き残している他のものは、御者座は生まれはアルゴス人、名前をオルシロコス(Orsilochus)、彼は4頭立ての戦車を初めて発明した、その発明により彼は星座の地位を得た。ほかの者は彼をマーキュリーとクリティエ(Clytie)の息子、ミュルティロス(Myrtilus)と同定するものもいる。彼はオイノマオスの御者。彼の死後、常識的な作法で、彼の父がその姿を天空に置いたという。

 彼の左肩(やぎ)にカペラがある、そして左手の中に子やぎ達がいるらしい。彼のことについてはこう云われている。あるオレィアス(Olenus)、ヴァルカンの息子、が二人の娘を持っていた、ニンフのアエクス(Aex)とヘリス(Helice)、彼女らはジョーブの乳母。他の者は、いくつかの都市は、彼らの名前から取られていると云う。アウリス(Aulice)のオレィアス、ペロポネススのヘリス、ハエモニア(Haemonia)のアエクス、これらについては、ホーマーがイリアッドの第2書で書いている。しかし、パルメニスカスは云う、あるクレタの王メッリセウスの娘たちをジョーブは乳母にした。彼女らはミルクを持っていなかったので、彼女らは、彼を育てたと云う、アマルテア(Amalthea)という名の、雌やぎを提供した。彼女は時々双子の子やぎを生み育てた、まさにそういう時、ジョーブは子守のため彼女のもとに連れてこられた。その母のやさしさのため、子やぎたちとともに、星座の中に置かれた。テネドス(Tenedos)のクレオストラス(Cleostratos)が最初に子やぎたちを星の間に見つけたと云われている。

しかし、ムサエウス(Musaeus)は云う、ジョーブはテミス(Themis)とニンフ アマルテア(Amalthea)に育てられた、彼は彼の母オプス(Ops)により預けられた。アマルテアはジョーブを育てたと云われる、やぎのペットがを持っていた。アエクスは太陽の娘と云うものもいる。彼女はその肉体により多くの者より秀でていた、その肉体の美しさに比べ、驚愕の顔を持っていた。それに驚いたタイタン等はアースにその肉体を隠すよう頼んだ。そして、アースは彼女をクレタの小島に隠したと云う。後に、彼女はジョーブの乳母となり、前に述べたように。ジョーブが、彼の若さに自信があり、タイタンとの戦いを準備していたとき、預言者は彼に、彼が勝ちたいなら、ヤギの皮とゴーゴンの頭に守られて戦かわねばならないと告げた。ギリシャ人はこれをイージスと呼んだ。これがなされたとき、前述したように、ジュピターはタイタンに打ち勝ち、王国を占領した。残された骨ををの皮で包むことで、彼は彼女らに命を授け、星で描くことにより記念した。のちに、彼はミネルバにその勝利のときに彼を守っていたイージスを与えた。

 ユーエメルス(Euhemerus)は云う、そのアエクスはパンの妻。彼女がジョーブにより辱められたとき、パンの息子と呼ばれる子を産んだ。なので、子供はイージパン(Aegipan)、ジョーブはイージオコス(Aegiochus)"イージスを生む"と呼ばれた。彼はその子を大変すきだったので、ヤギの姿を思い出すために星の間に置いた。


2001/11/15 Up
2005/01/16 Add Fig
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