かに座



 かにはジュノーに好まれていたので星の中に置かれたと云う、なぜなら、レルナレア(Lernaean)のヒドラ(Hydra)に対してヘラクレスが力強く立ち向かったとき、沼地から彼をその足で挟んだ。ヘラクレスは、これに怒り、それを殺した、ジュノーはそれを星座の中に置き、太陽が巡る12星座のひとつになった。

 この姿の一部分にロバと呼ばれる星々がある、かにの甲羅の上にリブレが二つの星で描いた。リブレは、ジュノーから狂気が送られて来たとき、テスプトティア(Tesprotia)に逃れたと云われている、ドドナエア(Dodonaean)のジョーブの神託にどうすればもとの正気に戻るかをたずねる為に。彼が渡ることができない大きな沼地まできたときに、二匹のロバにあった。彼はそのうちの一匹を捕まえ、それで沼地を渡った、水に触れることも無く。そして彼がドドナエアのジョーブ神殿にきたときに、すぐに狂気から解放された、彼はロバに感謝し、彼等を星座の中に置いた。彼は彼を運んだロバに人間の声を与えたというものもいる。このロバは後にプリアプス(Priapus)と体に関して張り合ったが負けて、彼に殺された。これを哀れに思い、リブレは彼を星に置いた、またこれは彼がジュノーから逃れる臆病な人間としてではなく、神として行ったことを知っておくべきだ、彼はジュノーがそのやさしさから星々に置いたかに座の上に彼を置いた。

 エラトステネスによると他のロバの話が語られている。ジュピターが巨人族(Giants)に戦争を宣言した後、彼は彼等と戦うために全ての神を呼び出した、父リブレ(Father Liber)、バルカン(Vulcan)、サティルス(Satyrs)、そしてシレニ(Sileni)がロバに乗ってやってきた。彼等は敵と遠くなかったので、ロバは怖がり、巨人が聞いたこともないような音で、個々に叫びだした。この騒音で、敵は早々に逃げ出し、そして打ち負かされた。

 他にも似た話で、トリトン(Triton)の貝殻がある。彼も、また、彼が発明したトランペットに穴をあけ、巨人との戦いにそれを持って行き、そこで貝殻を通して奇妙な音を吹き鳴らした。巨人は野獣がかれらの敵対者として放されたと思い、逃げ出した、そして、彼等は打ち破られ、彼等の敵の勢力下に入った。


2001/11/18 Up
2005/01/16 Add Fig
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