かんむり座



 これはリブレにより星座の中に置かれた、アリアドネの冠と考えられている。アリアドネがリブレにディア島で嫁いだ時、全ての神が彼女に贈り物を贈った、その時最初にビーナスとホーライからこの贈り物を貰った。しかし、クレティカ(Cretica)の作者はこう言っている、リブレがアリアドネと寝る希望を持ってマイノスに来た時に、彼が彼女に贈ったと。喜んだ彼女は、その条件を拒まなかった。またこうも言う、これは金とインドの宝石で出来ていて、暗闇の中で輝いたので、テセウスは迷路の暗がりから抜け出せたと。

 しかし、アルゴリカ(Argolica)を書いた作者は次のようなわけを与えている。リブレが彼の父から、彼の母セメレ(Semele)を死界から連れ戻す許可を得て、降りる人が通るというアルゴリカ(Argolica)を探していた時、ある立派なヒポィプヌス(Hypolipnus)人に出会った。彼は、彼の依頼に答えてそのレブレへの入口を教えた。しかし、ヒポィプヌス(Hypolipnus)人が彼を見た時、数年前はただの少年にすぎなかったのに、その美しい姿は他の誰よりも勝っていた、彼は彼に失うことの無い褒美を求た。リブレは、しかし彼の母を熱望して、彼が戻ることが出来たら、彼の思いをかなえることを約束した、神は決して恥じしらずには約束しないのに。これにより、ヒポィプヌスは入り口を教えた。そして、リブレはそこに着き、死界に降りようとした時、ビーナスから与えられた王冠を、Στεθανοσと言われる入り口に残した。彼はそれを死界へ持って行き死者と会うことにより、それが汚がれることを望まなかった。彼が母を無傷で連れ帰った時、永遠の記念としてその王冠を星の中に置いた。

 他はこうも言う、これはテセウスの王冠である、そして次の様な理由で彼の側に置かれた、ひざまずく者といわれる星座はテセウスと考えられる。彼については後で述べる。テセウスが7人の処女と6人の少年とクレタのミノスに来た時、ミノスは処女の中の一人、エイボエアの美しさに夢中になり、彼女と寝たがった。テセウスはネプチューンの息子として、また少女の為に暴君と争うことが出来る者としてこれを許せなかった。従って、争いは少女の為ではなく、テセウスの血統、彼がネプチューンの子かどうかであった。ミノスは金の指輪を指から海に落したとした。ミノスはテセウスがそれを取ってこれるかどうかで、彼がネプチューンの子であるかを賭けた。ミノスがジョブの子であることを、簡単に示せる様に。彼は父のことを念じ、彼は彼の子であることのサインを求めると、すぐに雷がその答えを与えた。同じような理由で、テセウスは、彼の父を念じることも無く、呪文も唱えず、海に入った。するとすぐに、大きないるかが波打って現れ、ネレイズの所まで静かな浪の中を導いた。そして、そこから、ミノスの指輪と、テティウスから宝石に輝く彼女が結婚の記念にビーナスからもらった、王冠を持ち帰った。他の者は、この王冠はネプチュームの妻からもらい、そして、テセウスはこれをアリアドネが彼の勇敢さに惹かれて結婚した時に贈り物として贈ったとも言う。アリアドネの死後、リブレが星座の中に置いた。


1998/01/11 Up
2005/01/16 Add Fig
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