わし座



 これはガニメデを引き上げ、彼の愛人ジョーブに奉げた鷲と云われている。この鳥はまた、ジュピータが鳥類の中から選んだと云う、それは唯一、多くの者が云うように、昇る太陽の光線に向かって一直線に飛んでいこうと奮闘する鳥である。従ってアクエリアス座の上を飛んでおり、多くのものに、ガニメデを連想させる。ほかの者は、また、この鳥はあるメロぺ(Meropes)だという、コス(Cos)島を治めた、そしてこの島をコス島と呼んだ、彼の娘の名前をとって、メロピア(Meropians)の住民、そして彼自身の名前から。彼はニンフの家系のエテメア(Ethemea)という妻を持っていた、彼女はダイアナの矢により撃たれた、ダイアナが彼女に対する信仰を終わらせたときに。最後には彼女は死人の地であるプロセルピナ(Proserpina)に生きたまま引き連れられた。メロペは彼の妻を捜してさまよい、自殺しかけた、しかしジュノーは、かれを哀れに思い、彼を鷲の姿にかえ星座のなかに置いた。もし彼女が彼を人間の姿で置いたならば、人間のときの記憶を持ち、彼の妻を捜し続けていたであろう。

 アグラオステネ(Aglaosthenes)はその著書ナキシア(Naxia)でこう云う、ゼウスは秘密裏にクレタからつれていかれたが、ナクソスに運ばれ、そこで育てられた。彼が男の地位を得たとき、戦争でタイタンを攻撃したかった。生贄の儀式のとき、一匹の鷲を認めた、そしてこれを啓示と考え、彼を星の間に置いた。ほかの者はまたこう伝える、マーキュリィ(アナプレイデス(Anaplades)というものもある)が、ビーナスの美しさに心乱され、彼女に恋してしまったとき、彼女は好意を受けなかったので、彼は意気消沈した、軽蔑されているように。ジョーブは彼を哀れに思い、ビナ−スがアケ−ロス(Achelous)の川に水浴しているとき、彼はビーナスのサンダルをエジプトのアミタニア(Amythaonia)へ運び去るために鷲を遣わせた、そしてそれをマーキュリに与えた。ビーナスはそれを探して彼女に恋しているマーキュリのもとを訪れた、そして、かれはその思いを遂げた。その報償として鷲は星空に置かれた。


2001/11/17 Up
2005/01/16 Add Fig
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