ペガサス座



 このサインは、アラートスやほかの者がペガサスと呼ぶ、ネプチューンとゴーゴンのメドューサの子孫、ボエオティア(Boeotia)の山ヘリコーン(helocon)の上で、岩を彼のひづめでけることで泉を湧かしていた。彼にちなみその泉はヒポクレーネ(Hippocrene)と呼ばれた。他はこう云う、ベレロポン(Bellerophone)がアバス(Abas)の息子でアルギベス(Argives)の王であるプロイトス(Proetus)を訪ねたとき、王の妻アンティア(Antia)は、客への思いに打ち負かされ、彼に訪ねてくるように頼んだ、そうすれば彼に夫の王国を与えることを約束した。この願いがかなえられないので、彼女は彼が国王に訴えるのではないかと恐れた。彼女は彼の機先を制し、プロイトスに彼が彼女に暴力をふるったと告げた。プロイトスはベレロポンに好意をもっていたので、彼自身で罰を与えることをいやがり、でも彼がペガサスという馬を持っていることを知っていたので、アンティア(ステノボエ(Sthenoboea)と呼ぶものもある)の父のもとに送った。彼は彼の娘の貞節を擁護するため、若者をキマイラ(Chimera)と戦わせた、そのときそれはレイシア(Lycians)の荒野に横たわり炎を上げていた。

 ベレロポンはそれに勝利し、逃げた、しかし泉を造ったあとで、天国に飛んで昇ろうと試みている途中、そこにもうすぐ届きそうなとき、下の地上を見下ろすのが急に怖くなり、落馬し死んだ。しかし、馬はそのまま駆け上り、ジョーブにより星座の間に置かれたと云う。他の者はベレロポンはアルゴスに逃げたと云う、しかし、アンティアの糾弾ではなく、彼にとって面白みもない提案をもう聞かなくて良いように、若しくは彼女の懇願が苦痛だったので。

 エウリピデスはそのメラニッペ(Melanippe)のなかでこう云っている、メラニッペ(*)、ケンタウロスのキーロンの娘、はテティス(Thetis)と呼ばれていた。ヘリコン(Helicon)山で育てられ、少女は狩がとても好きだった、彼女は一度、ヘレンの息子、ジョーブの孫、アエオロス(Aeolus)より求婚されていた、彼により子を宿した。産み月が近づくと、彼女は森に隠れた、彼女の父は、彼女がまだ処女だと思い、彼女が孫を生んだことを見ないように。そして、彼が彼女を探し始めたとき、彼女は神の力に、彼女が子供を産む場面を彼女の父が見ないように祈った。子供が生まれた後、神の望みにより彼女は雌馬に変えられた、それは星の間に置かれた。

 いくらかの者は彼女は預言者であるという、彼女は神の計画を人間に漏らしたので、彼女は雌馬に変えられた。カリマコス(Callimachus)は云う、彼女はダイアナ(Diana)の猟と信仰を止めさせたので、ダイアナが彼女を先に記述した姿に変えた。このような理由で、キーロン(Chiron)と云われる、ケンタウルス(Centaur)からは彼女は見えない、そして彼女の半分の体しか見えない、彼女はその性別を明らかにしたくないので。


2001/11/17 Up
2005/01/16 Add Fig
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