ヘラクレス座

原題:ひざまずく者


 エラトステネスは彼はヘラクレスだと言っている、既に述べたドラゴンの上に置かれ、戦うのが好きだった、左手にライオンの毛皮を、右手にこん棒を持って。彼はヘスペリデス(Hesperides)のドラゴンを殺そうとした、それは、絶対に眠気に負けず、又目を閉じないと考えられていた、従ってそこに護衛として置かれたことの証明を与えている。パニアシス(Panyassis)はヘラクレア(Heraclea)の中でこういっている。ジュピターが彼らの戦いを賞賛して星の中に置いたと。:ドラゴンはその頭を立てて、ヘラクレスは右膝をついて座り、彼の左足でドラゴンの右側頭部を砕こうとしている。彼の右腕は上がり、そして叩いている、左腕はライオンの毛皮と伴に伸び、彼の全ての力を振り絞り戦おうとしている。アラートスは彼が誰であるか証明できないと言ってはいるが、いくらか理由付けがあるものを示そう。

 前に言ったように、アラートスはこの姿をセテウス(Ceteus)、リュカオン(Lycaon)の息子、メギスト(Megisto)の父と述べている。彼は、彼の娘が熊の姿になったのを嘆いているようだ、片膝をついて、伸ばした腕を天に向けて上げて、神に娘を元の姿に戻してくれるよう懇願している。しかし、ヘギシアナス(Hegesianax)は、彼はテセウス(Theseus)だと言っている、トロイゼン(Trezene)の石を上げようとしている。アイゲウス(Aegeus)はその石の下に(原本欠落:他の本ではサンダル)と剣を置き、彼の母のアイトラ(Aehtra)に警告した、彼が自分の力でその石を持ち上げ、剣を父のところに持ってこれるまで、アテネ来させない様にと。なので、彼はできるだけ高くその石を持ち上げ様としている。これに関連して、彼の姿の近くに置かれた「琴」はテセウスの琴と言う者がある、彼は全ての芸術に長けていたので、琴も習ったものと思われる。またアナクレオン(Anacreon)もまた言っている。:テセウスの近く、アイゲウスの息子、そこに琴(座)。

 他の者は彼をタミュリス(Thamyris)という、ムサ(Muses)達に盲目にさせられた、嘆願者としてひざまずく。:他に、オルフェウス(Orpheus)、トラキア人の女達に殺された、彼がィビュエ(Liber)の祭司を見た為に。しかし、アエシリウス(Aeschylus)は「Prometheus Unbound」(原文ギリシャ語)で彼はヘラクレスと言っているが、戦っているのはドラゴンではなく、リギュリア人(Ligurians)とである。彼が言うには、ヘラクレスがゲリュオン(Geryon)の牛を連れて、リギュリア人の領地を通っていた時。彼らは連合して、彼の牛の群れを盗ろうとした。矢で多くの者を貫いたが、矢が尽きた後、多くの野蛮人より疲れさせられ、そして武器も無く、彼は膝をつき、既に多くの傷を負っていた。しかし、ジュピター(原文Jove)は、彼の息子を哀れみ、彼の周りに多くの石を与えた。ヘラクレスが自分で守り、敵に対し戦ったことに対し、ジュピター(原文Jove)はその戦っている姿を星座の中に置いた。また、別の者は、彼は両腕を縛られたイクシオン(Ixion)と言う、なぜなら彼はジュノー(Juno)を攻撃しようとした。;他の者は彼をカウカサス山の上で縛られているプロメテウスという。


2001/01/10 Up
2005/01/16 Add Fig
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