元代の『天文匯抄』の星表 




 今回は中国の元の時代に作成されたとされる星表『天文匯抄』の同定です。
 『天文匯抄』の原本は「北京図書館古籍珍本叢刊78」に『天文匯抄十一種』として出版されています。(国会図書館所蔵)


    『天文匯抄』は右図の様に描かれており数表形式ではありません。 (図は南斗の部分。)また下記数表の「中国名」の順序番号や東西南北等の表記には現代の追記があります。

 これを星表形式にして発表したのが潘鼎で下記数表の『「天文匯抄」の記述』は番号、中国名を含め潘鼎の星表によります。
 潘鼎の星表を再検討し発表したのが孙小淳です。彼はこの星表の作成は元代では無く明代初頭(1380年前後)としています。
 
 潘鼎 : 「中国恒星観測史」学林出版社(1989)
 孙小淳: 《天文匯抄》星表研究 (陳美東主編「中国古星図」遼寧教育出版(1996)の第6章に収録)
 
 
 【中国の位置表示の注意】
 中国の星の位置は360度ではなく日数度で表示されているため、以下の計算式で1360年当時の位置(赤経/赤緯)を計算しています。
  各星の赤経=距星の赤経(1360年)+宿度*360.0/365.25;
  各星の赤緯=90.0-極度*360.0/365.25;
 距星の情報はこのページの最後に記載しました。
 
 注:最後の星(742番)は原紙には値がありませんが、星の並びから明らかなので同定用として当方で追加しました。

 2017/11/22: BS5の星名の修正に伴い現代の星名を修正しました。
 2017/12/27: 距星の情報が抜けていたので追加。
 2018/01/17: 同定及び宿度/極度の修正。
 2018/11/17: 一時掲載停止後再掲載。



2022/10/11 觜宿と参宿の距星を修正
  2018/11/17 再掲載
  2018/01/17 同定等の見直し。
  2016/12/27 距星情報を追加。
2016/11/22 現代の星名をUpdate
2016/11/13Up

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