今回は畢宿周辺の[天関星],[天高4星],[諸王6星]の星座を検証する。
【天関星】
各同定に相違なし。
【天高4星】
[天高]について小川は星犯の検証により以下の様に移動したとした。
11世紀以前:99 Tau, 94τ Tau, 97i Tau, 102 Tau
11世紀以後:HR1633, 97i Tau, Tau, 104 Tau, 106 Tau
春海の同定は小川の11世紀以後に近い。月進図は小川の11世紀以前に近いのでこれをあてた。
ここでは小川の案を採用する。
102ι Tauより暗い近くのHR1633を選ぶのは、102ι Tauがつぎの天高を構成する星であるため。
【諸王6星】
諸王につても小川は星犯の記録から同定している。また春海にも近い。
ここでも小川の案を採用するが、西星がHR1459では宋の距星と合わないので途中の暗い星を選んだ。
小川は11世紀以前は同定した[天高]とかぶるので1世紀以前[諸王]はもう少し東にあったのでは無いかとしたが、
月進図によれば[五車]直の星の少ないところに千島列島のように延びる一連の星が見えるのでこれが
11世紀以前は[諸王]だったと考えられる。