15. 複数段式漏刻の給水間隔による精度の改善




 ここまでの複数段式漏刻では24時間間隔での給水を前提としていました。ここでは給水間隔を短くすることで誤差を改善します。

給水間隔による精度の改善
 四段漏刻の誤差の改善(誤差1分以内) の一段目では24時間計として最大107分の誤差がありました。これを一日4回6時間毎に25cm給水すことをにした場合、6時間計の漏刻を設計すれば良いわけです。
 水槽の大きさ(32.8cmx32.8cm)や出水口の大きさ(0.07cm)が同じ場合のシミュレーションの結果が右表となります。(H1=710mm)
 この場合の一段目の誤差は最大7分程度となり、24時間計の場合の2段合計の誤差に収まります。従って合計2段若しくは3段で誤差が1分程度に収まることになります。
 このことにより、中国の漏刻が最終的に4段まで増えたのは24時間毎の給水が前提だったと考えられます

1段漏刻6時間計x4回のシミュレーション
条件:a=32.8x32.8(cm2)
    d=0.07cm H1=710mm
時刻出水槽水位
(h1 mm)
受水槽水位
(Rh mm)
誤差(分)
0.00 250.00 0.00 0.00
1.00 205.81 44.19 -3.63
2.00 162.66 87.34 -5.76
3.00 120.55 129.44 -6.40
4.00 79.48 170.51 -5.53
5.00 39.45 210.53 -3.17
6.00 0.46 249.51 0.70
7.00 206.39 293.65 -2.86
8.00 163.23 336.82 -5.01
9.00 121.10 378.94 -5.67
10.00 80.02 420.02 -4.82
11.00 39.98 460.05 -2.48
12.00 0.98 499.05 1.37
13.00 206.97 543.12 -2.09
14.00 163.79 586.30 -4.26
15.00 121.66 628.43 -4.94
16.00 80.56 669.52 -4.11
17.00 40.50 709.57 -1.79
18.00 1.49 748.58 2.04
19.00 207.56 792.58 -1.32
20.00 164.36 835.77 -3.51
21.00 122.21 877.92 -4.21
22.00 81.10 919.03 -3.40
23.00 41.03 959.09 -1.10
24.00 2.00 998.12 2.71

6時間間隔給水一段漏刻シミュレーションソフト:waterclock_10.c


2017/10/29 Up

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