『格子月進図』の同定




 「中世の星図・星表・星犯記録による中国の星座の同定」では中国の星座を各種の史料をもとに同定の検討を行ったが、
ここでは【格子月進図】に限定した同定を行う。

【格子月進図の星座】(消失した原本の写真の一部分(東京天文台図書室蔵))
 土御門家に伝わっていた星図で戦前の空襲で消失したが写真のみが残された。ここではこの東京天文台図書室蔵の写真の複写から直接星の位置データを読み取り使用した。「中世の星図・星表・星犯記録による中国の星座の同定」で使用した複製版には格子が無いため歪みの補正が正確にはできなかった。ここで使用した方形図のデータは1度間隔の格子図から直接読み取ったものであるため補正の必要がない。ただし北極の円図については格子が無いので、方形図と重なった部分や実際の星図の位置をもとに位置決めを行った。

【同定に使用する現代の星表】
 目測による観測データなので精度の高い星表を使う必要性はない。また旧来の同定と比較するためにもHR/SAO/バイエル識別子/フラムスティード識別子/星座名のある星図が望ましい。今回の星図は8等までの星をカバーしていて星座名等の情報もあるSky Catalogue 2000.0の星表( V/145 SKY2000 Master Catalog, Version 5 (Myers+ 2006))を使用。 星雲については3. 明るい星雲・星団のリスト及びメシエ番号のある星雲のデータを使用。
 添付の星図は見直し前の同定で、歳差の誤差が小さいAD380年で表示している。各星表の赤経/赤緯に各星表の元期からAD380年までの歳差補正を加えて表示している。赤が現代の星表の星、オレンジが【格子月進図】の星である。




2018/05/13 再確認
2017/12/08 WEB登録
2017/08/21 完了
2017/05/28 作成開始
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